イタリア人的考え方 陰影礼賛 イタリアは… 2023年9月2日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 先日、残業をしていたら新任の上司から電話があり、ちょっと来てほしいと言われ、上階にあるオフィスまで赴いた。ノックして、ドアを開けてギョッとした。室内が真っ暗なのだ。日が暮れて外 …
ヴェネツィア 遠い日の友、記者証 2023年8月20日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 期限の切れた記者証がある。イタリアでフリーのライターとして働いていたころに使っていた、イタリア国の記者証だ。もう使い道もないが、だいじな思い出として、引き出しの奥にしまって …
映画 中身のあるひと − BBC「コールザミッドワイフ」 2023年8月13日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom BBCのドラマが好きで、よく見る。このところは、「コールザミッドワイフ」というドラマにハマっていた。 舞台は戦争の爪痕がまだ色 …
異文化コミュニケーション 流れ者のリフレイン 2023年8月6日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom わたしはだれ?ここはどこ? 記憶喪失にでも陥らないかぎり、おとなはふつう、そんなことばを発しない。そういう感覚、自分が今、ここに存在していることをふしぎに思う感覚は、 …
イタリア語 カロンテ 地獄の熱波 2023年7月30日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom イタリアは先週、記録的な熱波に襲われた。熱波には名前がついていて、その名も「カロンテ(Caronte) 地獄の渡し守」。地獄のように暑い(caldo infernale)ことか …
本・作家 カズオ・イシグロ「クララとお日さま」 2023年7月23日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom グテーレス国連事務総長が、先日、AIのリスクを管理するための国際的なルール作りが必要だと訴えました。わたしもそう思いますが、利害が異なる国家間で、具体的な同意がタイムリーに …
ヴェネツィア 真夜中のソリタリオ 2023年7月16日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom ヴェネツィア。深夜。夫の実家。トイレで目が覚めたら、広い家のなかは真っ暗だ。どこに電気のスイッチがあるかもわからず、手探りで歩を進めたら、キッチンのほうから薄明かりが洩れて …
イタリア人的考え方 できない言い訳・第二弾「人間だもの」 2023年7月8日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 宿題ができない。残業したくない。仕事でミスをしてしまう…。大丈夫、ご安心を。イタリア語にはこんなときに使える、便利な言い訳のことばがいくつかあります。前回は、「それは自分よ …
イタリア人的考え方 古代ローマの奴隷とkaizen 2023年7月1日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom kaizenと英語になっているほど、トヨタ式改善は、世界に知られる日本式仕事術。ヒラ社員から経営陣まで全員が、仕事の流れのなかで改善できる点を見つけ、効率と生産性を上げてい …
日々のよろこび ヒュッゲな晩餐、最後はワイルド 2023年6月24日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom ヒュッゲ(hygge)、という言葉を数年前に知った。ニューズウィーク誌を見ていたら、トレンド英語ワーズのなかに入っていたのだ。デンマーク語で、居心地の良い空間に満足感を感じ …