ヴェネツィア 真夜中のソリタリオ 2023年7月16日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom ヴェネツィア。深夜。夫の実家。トイレで目が覚めたら、広い家のなかは真っ暗だ。どこに電気のスイッチがあるかもわからず、手探りで歩を進めたら、キッチンのほうから薄明かりが洩れて …
イタリア人的考え方 できない言い訳・第二弾「人間だもの」 2023年7月8日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 宿題ができない。残業したくない。仕事でミスをしてしまう…。大丈夫、ご安心を。イタリア語にはこんなときに使える、便利な言い訳のことばがいくつかあります。前回は、「それは自分よ …
イタリア人的考え方 古代ローマの奴隷とkaizen 2023年7月1日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom kaizenと英語になっているほど、トヨタ式改善は、世界に知られる日本式仕事術。ヒラ社員から経営陣まで全員が、仕事の流れのなかで改善できる点を見つけ、効率と生産性を上げてい …
日々のよろこび ヒュッゲな晩餐、最後はワイルド 2023年6月24日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom ヒュッゲ(hygge)、という言葉を数年前に知った。ニューズウィーク誌を見ていたら、トレンド英語ワーズのなかに入っていたのだ。デンマーク語で、居心地の良い空間に満足感を感じ …
ヴェネツィア モニカの真珠 2023年6月18日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom あ…。うちを出たとたん、陽の光に目がくらんだ。ヴェネツィアの夏の日差しは強い。立ち止まり、光の残像が目から消えるのを待ってから、歩き出す。 ヴェネツィアの道はよく言わ …
旅 マテーラで緑の水田を恋う 2023年6月10日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 旅に出て、その地に拒まれる、あるいは、なにしに来たかときびしく問われる。インド、ジャイプールで、そんな感覚におそわれた、と、前回書いた。 今回は、そのつづき。ジャイプ …
本・作家 須賀敦子先生の、遠いまなざし 2023年6月3日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 没後、長い年月を経て、なお、広く読みつづけられている作家、須賀敦子。 戦争のつめあとがまだ残る時代の、フランスやイタリアでの稀有な経験を、深く思索し、醸成させた、うつ …
異文化コミュニケーション 挑発を受け、インドへ 2023年5月27日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 旅に出て、その地に拒まれる。あるいは、なにしに来たかときびしく問われる。そんな気持ちになったことはないだろうか。わたしは、ある。 一度はインド、ジャイプール。2度目は …
イタリア語 外国語の闇を行く 2023年5月21日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom イタリア語のRとLの聞き取りにいまだ苦労している。長年イタリア語を使って仕事をしてきて、CILSというイタリア語検定試験の最上級レベルにも合格した。それでもRとLは苦手だ。 …
ヴェネツィア お針子リリーと鰯とポレンタ 2023年5月13日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom それは昔話に出てくるような、小さな愛らしい家だった。ヴェネツィアのサンマルコ広場の東側に位置する、下町の長屋の一角。そこに老夫婦が住んでいた。洋服の寸法直しの内職をしている …