セルフメンテ_心体頭

モーニングページの効果

Morning Page

 

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モーニングページとは?

モーニングページとは、朝、起きたらすぐに、頭に浮かぶことをノート3ページ分書き出す。それを3ヶ月続けるというもの。ジュリア・キャメロンというアメリカ人のライター・脚本家・映画製作者が発案したワークで、自分の頭のなかを整理し、心のブロックをときほぐし、創造性をめざめさせる効果があるそうだ。

著者は1948年生まれ。1970年代の映画業界でアルコール問題を抱えながら執筆していたが、行き詰まり、空白のページに心の声を書き写すというやり方で創造性を取り戻していった。モーニングページはそんな彼女の経験から生まれたメソッドだ。

私はこの「モーニングページ」なるものの存在を、有名ブロガー、筆子さんのブログで知り、ピンと来るものがあって早速始めた。3ヶ月たったのでその効果を記したい。

  • 筆子さんのブログで紹介されている「モーニングページ」

https://minimalist-fudeko.com/how-to-write-morning-pages

  • 日本語の新版「ずっとやりたかったことを、やりなさい」がアマゾンでも発売されている。

https://www.amazon.co.jp/dp/4763136038?tag=shia511-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

  • 原題はThe Artist’s Way – A Spiritual Path to Higher Creativity

https://www.amazon.co.jp/Artists-Way-25th-Anniversary/dp/0143129252

私もブログが書けなくなって悩んでいた。書こうと思ってパソコンに向かい、WORDを開くのだが、WORDの白い画面を見るとからだが固まってしまう。なにも出てこないのだ。それがしばらく続くとWORDをあけるのもいやになってしまった。

それでも書きたくないのではない。書きたいことは頭のなかにいろいろあるのに、蛇口が詰まっている。そんな感じで苦しいのだ。ノート3ページを毎朝書くなんてできるだろうか……。そんな不安は頭をよぎったが、とにかくやってみよう。そう考えて始めてみた。

空白のノートと対峙する

朝、起き抜けに空白のノートと対峙する。頭はまだ半分眠ったままだ。ペンを持ち、あー、なに書けばいいのかな、などととりあえず書き、なに書こうかななどと書いているうち、だんだんと手が動き出した。子育てがほぼ終了したことでできた心の空白、しのびよる老後への不安、なにかしなきゃと焦る気持ち。職場の人間関係の悩み、外国語習得の果てのなさ……頭には常にたくさんの雑念が行き来していて、一度も休まることがない。

それらを手で、ペンを使って、肉筆で書き出す。支離滅裂だったり、勝手な文章になるが、考えない、読み返さない。頭をよぎることをただただそのまま書き出す。考案者のキャメロンは「盗聴するような感じ」と言っているが、心の声をそのまま聞き取っていくという意味であろう。そんなふうだから初日から3ページはわりと難なく埋まった。

そんな感じで毎日続けていった。字をていねいに書く日があったり、スピードに任せて書きなぐる日もあったが、3ページ書けないということはなかった。所要時間は平均して40分くらいかな。

最初はノルマの3ページと見ていたものが、日に日にノートに向かうことが楽しくなっていった。日によっては4ページ、5ページ書くこともあった。なにこれ、私、こんな量を書いている。書けるじゃん!?内容はともかく、3ページもの分量を毎日書いていることが自信となっていった。

また、書いているうちに、自分でも思いもよらないような考えが浮かんだり、気づきがあった。それらは書く前には思いもしなかったことで、書いているうちに文章となって出てきたのだ。なにはともかくノートに向かって手を動かしていれば、新しいアイデアや気づきに出会える。それは散歩に出かけ、思いがけ不思議なスポットや珍しい動物に遭遇する感じと似ている。

ポイントは手書き。生な感覚とリンクできる

手書き、というのがいいんだと思う。頭をよぎることを手で書く。からだのなかで考えが、思いが動き流れる。頭をよぎることと手で書くスピードが一致してくるとフィジカルな心地よさを感じる。

また、ノートの上には肉筆が記される。「肉筆」とはよく言ったもので、WORD上のフォントの無機質さとはまったくちがう存在感で迫ってくるものがある。字のかたち、筆圧、線の太さや流れ方、一字一字、同じものはない。まるでその日の私自身の心やからだの気分を映し出すかのようだ。WORDに打ち込んで統一されたフォントが出てくるのとは全然ちがう、生な感覚。イマ風の言葉で言えば「エモい」のだ。WORDだとどうしてもビジネスライクというか、無機質な感じで、自分が書いた文章でもまるで誰かが書いたような錯覚に陥ることがある。それとちがって手書きは自分の感覚との齟齬が少ない。肉筆を見れば、自分の一部だと実感できる。

handwriting

モーニングページで自己肯定感が深まる

 

B5サイズのノートに3ページ書くのに、私の場合は約40分かかることが多い。まあそれなりに時間が取られるのだが、それはほかでもない、自分自身のために割く時間だ。朝、仕事に行く前に、自分のために小一時間もの時間を使ったと思うと、自分を大切にしたという充足感を覚えた。それは私の場合、自己肯定感や心の安定、自信につながった。一日をただ仕事や雑事に振りまわされて終わったのではなく、自分のために時間を使ってあげた、自分をちゃんとケアしてあげられたと思うと嬉しく、もっと自分を大事にしようという気が湧いてくる。モーニングページをやってみて、これがなによりの収穫だった。

これからも続けたいと思うし、モーニングページの存在を教えてくれた筆子さんのブログに心から感謝したい。また、今後の効用をレポートしますね。ではでは。

湊夏子

 

ABOUT ME
湊夏子
長いイタリア暮らしを経て、帰国。日英伊の3か国語でメシの種を稼ぎ、子どもを育てているシングルマム。
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