イタリアのことわざを紹介するシリーズの、今日はその三です。
イタリア的なるものを理解するのに大変役立つことわざ。
これらのことわざが実際どのような場面で、どのように使われているのか、ご紹介していきます。
Non è tutto oro quell che luccica.
ピカピカしてるからって、それが金だとは限らない。
見かけに騙されるな、という意味。
「見かけに騙されるな」って自警してるぐらいですから、イタリア人は、物でも人でも見かけをとっても重視します(^ω^)
物事を判断するとき、日本なら「良し悪し」という言葉を使うところを、「bello (美しい)・brutto(美しくない)」という言葉を使うくらい。
美しい自然、美しい芸術や建築からなるBel Paese(美しい国の意。イタリアの代名詞として使われる)に生まれた自分たちには、人並み優れた美的センスがある。そう、みんな自負してるんですね。
しかし、美的センスだけで物事を判断していると、アレ、これちがう〜!みたいなことも頻発します。
だから、こういうことわざで用心しているのかな。
では、どんな場面でこのことわざが使われるのか見てみましょう。
使われ方実例
以前、イタリアのある会社に勤めていたとき、職場にセクシーな装いの女性が入ってきました。
長い金髪、赤い唇、ボディーラインを強調したドレスにハイヒール。
うぉおおおおお〜!
いっせいに色めき、目が釘付けになる男性社員たち。
「こんにちは、シニョリーナ!今日はどんなご用件で?」
普段なら面倒くさそうに接客してるくせに、鼻の下を伸ばしていっせいにデレデレ。
それを横目に見ていた女性同僚のパオラが、
「Non è tutto oro quel che luccica. 見かけに騙されるな」
とクールに呟くと、
「やっかむなよ、パオラ〜」
なんて見当違いなことを言われる。
パオラはもううんざりって顔で、
「バーカ。前にミスって、首飛ばされそうになったのは誰だっけ?」
捨て台詞を吐いて、パソコンの画面に顔を戻す。
不思議なのが、よく見るとパオラのほうが、オトコたちがデレデレしてる女性より、よっぽど美人ということです。。
化粧っ気がなくて地味な服装だけど、きれいな顔をしていて、スタイルなんかもいいのです。
なのにイタリア男は、素の美しさには反応が鈍い。
それより、長い髪、ボディコンドレス、ハイヒールといった、わかりやすいセクシーさに弱い。
美人でも色気のないパオラには目もくれず、特に美人じゃなくても、お色気ムンムンの女性客には目が釘付けになっている…
「Non è tutto oro quell che luccica. キラキラ光ってるからって、それが金だとは限らない。見かけに騙されるな。」
せっかくパオラが親身に言ってあげても、オトコたちは聞く耳を持たない。
なんだか用をなさないことわざなのでした…。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
よろしかったら、他のことわざの記事も読んでみてくださいね。
ではまた。See you! A presto!
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