働き方

宅配ドライバー問題、イタリアは・・・

こんにちは!トリリンガルマム、湊夏子です。

さて、昨今わたしもネットで買い物をすることが増えましたが、ネットショッピングの増加で宅配の需要が近年ますます高まり、業界では宅配ドライバーの奪い合いになっているようです。https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4220/

そんななか、大きな問題になっている宅配ドライバーさんの過重労働について、今日はイタリアの例と照らし合わせて考えてみました。

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宅配のドライバーさん、そんなにがんばらないで

雨の日も、雪の日も、がんばって荷物を届けてくれる宅急便のドライバーさん、いつもありがとうございます。でも、そんなにがんばらないで、ともお願いしたい。だって客のわがままにいちいちつきあってたら、身が持たないです。

荷物を届けて、不在票を入れて、電話がかかってきて再配達。なかには再配達をリクエストしたにもかかわらず、その時間に不在にする輩もおり、また電話がかかってきて再配達・・・

そんな理不尽で過酷な状況がクロネコヤマト問題として2年ほど前に大きく報じられました。ヤマトは働き方改革を行なっていると聞いていますが、事態は改善したのでしょうか。

うちにいつも届けてくださるドライバーの方は、「朝5時起きで、仕事が終わるのが夜9時ぐらい」っておっしゃってました。長い!

それを聞いて以来、わたしは受け取りはできるだけ自宅ではなく、近所のコンビニにするようにしています。自分が長時間労働に苦しんだ経験があるので、とても他人事と思えないのです。

こんなに高い利便性、ほんとうに必要?

きびしい条件を課されているにもかかわらず、誠実に仕事をこなしてくださる宅配便のドライバーさんたち。彼らのおかげでわたしたちは希望する時間に荷物を受け取れるという、世界有数の高度なサービスを日々享受しています。でもこんな高度なサービス、本当に必要なんでしょうか?

わたしはじぶんのプライベートな時間を犠牲にしてまで働きたくない。だから、ドライバーさんたちにもそこまでがんばってもらわなくていい。そこそこ基本のサービスがあればそれで十分と考えます。

お客さまは神さまではない。客と、サービスを提供する側とは、対等。そう考える消費者、企業が増えて、行き過ぎたサービスや顧客至上主義がなくなれば、みんなもっと人間的に働けて、家族で夕食を囲めるようになるんじゃないかと思うんです。

郵便が届かないのが当たり前のイタリア

ちなみに、わたしが住んでたイタリアは郵便配達が機能しない国でした。ついこないだも、出したクリスマスカードが届いたのは2ヶ月後。それ以前にも、せっかく送った荷物が紛失の憂き目にあったり。荷物が何時に届くかわからないから、一日中、家で待機してなければならなかったり・・・日本の完璧な郵便サービスに慣れた日本人のわたしには、イタリア郵便は本当に悩みの種でした。

わたしをはじめ、イタリア在住の日本人たちのイタリア郵便への怒り、憤りは深く、日本の郵政省からイタリアの郵政省に交渉してほしいと、被害をレポートするウェブサイトまで立ち上がってたくらいです。

宅配便もあることはあったのですが、状況は郵便と変わりませんでした。

このように、イタリアの郵便や宅配はカスタマー満足という点では落第なのだけれど、少なくとも日本の宅配便のドライバーさんみたいに、長時間労働で過労死した人はいません。

自分を犠牲にしてまで働かない

イタリアでは、働く人は決められた時間内でこなせる仕事はこなし、こなせない分は翌日にまわす。企業が作ったオペレーションの仕組みがまずくて、一人の従業員がこなせないほどの仕事量が課されていた場合、現場の一従業員が私生活を犠牲にしてでも残業して、個人的努力で補うという発想はありません。だから遅延はしょっちゅうだけれど、客もそれは想定内。しかたないと考えて怒ったりもしません。

早い、安い、便利。日本の宅配はイタリア人から見たら夢のようなサービスです。でも、イタリアで類似のサービスは生まれない。仕事、会社のためにからだを壊すほど働くという発想がないからだと思われます。

便利なのはありがたいけど、それが誰かの、心身を壊すほどの犠牲のうえにしか成り立たないなら、そんな便利はつらすぎる。受け取れないです。とはいえ宅配を使わない生活も成り立たないので、できるだけコンビニ受け取りにしている。その程度のことしかできていないのですが・・・

「早い、安い、便利」は誰かの犠牲でできている

わたし自身、消費者であると同時に労働者でもあります。自分が働くとき、ブラックな環境でこき使われて病気になったりするのはもう絶対にイヤ。そのためにできるのは、消費者として節度なく利便性を求めないこと。労働者として、過重労働は断固として拒否すること、なのかなと思いました。

簡単ではありません。日本に根付いている「お客様は神様」という商習慣、企業の体質があるので、それに反対するのはなまなかなことではないのはわかっています。でも、自分の生活、自分の健康、自分の権利を守るために、心していきたいと願っています。

宅配のドライバーさんたちも、まずは自分の健康、生活を守ってくださいね。日頃の感謝をこめて、応援してます。

ではまた。See you!  A presto!

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ABOUT ME
湊夏子
長いイタリア暮らしを経て、帰国。日英伊の3か国語でメシの種を稼ぎ、子どもを育てているシングルマム。