本・作家 須賀敦子先生の、遠いまなざし 2023年6月3日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 没後、長い年月を経て、なお、広く読みつづけられている作家、須賀敦子。 戦争のつめあとがまだ残る時代の、フランスやイタリアでの稀有な経験を、深く思索し、醸成させた、うつ …
異文化コミュニケーション 挑発を受け、インドへ 2023年5月27日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 旅に出て、その地に拒まれる。あるいは、なにしに来たかときびしく問われる。そんな気持ちになったことはないだろうか。わたしは、ある。 一度はインド、ジャイプール。2度目は …
イタリア語 外国語の闇を行く 2023年5月21日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom イタリア語のRとLの聞き取りにいまだ苦労している。長年イタリア語を使って仕事をしてきて、CILSというイタリア語検定試験の最上級レベルにも合格した。それでもRとLは苦手だ。 …
ヴェネツィア お針子リリーと鰯とポレンタ 2023年5月13日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom それは昔話に出てくるような、小さな愛らしい家だった。ヴェネツィアのサンマルコ広場の東側に位置する、下町の長屋の一角。そこに老夫婦が住んでいた。洋服の寸法直しの内職をしている …
イタリアのことわざ・気になる表現 天使が通った夜 2023年4月30日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 飲み会などでワイワイやっている最中に、ふっと会話が途切れることがある。にぎやかだったその場が、一瞬、静けさに包まれる。そんな状況をイタリアでは、「E' passato un …
ヴェネツィア ボッコロの日とジョルジョーネ 2023年4月23日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 探し物をしていたら昔の写真が出てきた。ヴェネツィアで暮らしていたころの、元夫と娘の写真。 まだ2才ぐらいか。小さい娘の手をつなぎ、元夫が運河沿いの、家の前の通りを歩い …
ヴェネツィア 今や希少 ヴェネツィアの春の地野菜 2023年4月15日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 先日、白アスパラガスの記事を書いていて思い出した。やはり春が旬の、もうひとつのヴェネツィアの “アスパラガス” のことを。 それはふつうのより茎が細く、ひょろひょろし …
イタリアのことわざ・気になる表現 復活祭 白アスパラガスの誘惑 2023年4月9日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi クリスマスは親と、復活祭はお好きなひとと クリスマスはキリスト教文化の伝統行事 …
イタリア語 プッタネスカで墓穴掘り 2023年4月2日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom 仕事でイタリア人と毎日顔を合わす。それで気づいたのが、彼らも実によく天気の話をするということ。 「あたたかくなってきたね」、「3月の天気はクレイジーっていうけど本当だ …
ヴェネツィア セレニッシマの末裔 2023年3月26日 湊夏子 トリリンガル・マム Trilingual Mom お世話になったのに、長年、不義理をしていた。その人が数年前に亡くなっていたことを、ふとしたことから先日知った。 ヴェネツィア貴族の、ジローラモ・マルチェッロ伯爵。地元 …