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英検一級、一発合格できました!
英検一級をこのたび初受験、無事合格することができました。やった〜!あとでくわしく書きますが、決してラクに合格できたわけじゃありません。四半世紀もの間、メインの仕事の言語のイタリア語にどっぷりで、英語を使うことがあまりなかった。だから猛勉強しなきゃいけなかったのですが、がんばった甲斐あって、無事に一発合格できて本当にうれしい。今回は英検一級テストについて、TOEICと比較しながら、私の経験をシェアしていきますね。
英検一級を受けようと思った理由
米系企業での勤務、通訳や翻訳の経験もあるのに「なぜ今さら英検?」って、まわりから聞かれたんですけど……単に英検って今まで縁がなかったんですよね。大学受験に必要だったのはTOEFL、ビジネスではTOEICだったから。でも、子どももようやく大きくなり、何か新しいことにチャレンジしたくなったんです。錆びついちゃってるであろう自分の英語を磨きたいという気持ちもあった。それに英検の一級はかなり難関と聞いていたので、どんなものか体験してみたくなったんです。
英検一級とTOEICの難易度比較
ネットなどで見ると英検一級の難易度がよく取り上げられていますが、本当にそんなにむずかしいのか?だとすると何がむずかしいのか?私はTOEICを5年ほど前に受験しており、975点を取得していますが、その経験と比べてみたいと思います。
書く、話すのアウトプット技能が問われる英検一級
TOEICと英検1級の試験の大きなちがいは、まずはライティングとスピーキングというアウトプット技能の有り無しです。TOEICは読解・リスニングだけで全問マークシート方式ですが、英検一級は一次試験ではライティング(小論文)があり、一次にめでたく合格したら、二次試験ではその場で与えられたトピックに対し、2分で即興でスピーチをしなければなりません。しかもそのトピックが現代社会における政治や経済、環境問題といった、一般教養というか、予備知識がないと答えられないような問題なのです。以下にトピック例をいくつか挙げますね。
一次試験 ライティング・トピック例
Agree of disagree: Global overpopulation is a serious threat to the future of humankind.
Is domestic terrorism more serious than terrorism from abroad?
Is space exploration worth the cost?
Should cloning research be banned?
Can renewable energy sources replace fossil fuels?
二次試験 面接 2分スピーチ トピック例 (5つの中から1つ選ぶ)
- Is transferring technology to developing nations the key to economic development?
- Does the government have responsibility for economic refugees?
- Is art losing its relevance?
- Will Japan’s pension system be able to provide for seniors in the future?
- Have humans done irreversible damage to the planet?
どうでしょう?日本語で聞かれてもなかなか答えられなくないですか?私もご多分に洩れず、小論文とスピーチにはとっても苦戦しました。自分の教養のなさ、時事問題への知識のなさに呆然とし、どこから手をつけたらいいかさえわかりませんでした。
一次試験の小論文は25分で書き上げる必要がある、と、英検対策本には書かれています。時間内に読解問題をこなすにはそれ以上の時間がかけられないからです。また、二次面接のスピーチは、試験官から見せられる5つのトピックの中から1分間で1つのトピックを選び、そのトピックについてのスピーチ構成を考えなければなりません。つまり、10秒ぐらいでトピックを選び、残り50秒で構成を考えるって感じです。どんなに準備したところ、結局は即席である程度のレベルのことが言えなくてはいけません。
このアウトプット技能を試されることから、英検一級のほうがTOEICより断然大変というのが私の感想です。
ワンランク上の高尚な語彙が多い英検。ビジネス用語が中心のTOEIC。
英検一級のもうひとつの難関が語彙でした。体感ですが、TOEICより圧倒的にむずかしかったです。というのも、TOEICはビジネスシーンで使われる言葉がほとんどで、なじみのある言葉が多かったのですが、英検一級の語彙はなじみのない言葉が本当に多いのです。といってもすごく学術的なニッチな言葉が出てくるわけではありません。CNNやBBC、Japan TimesやNew York Timesなどに触れていれば普通に出てくる言葉ではあるものの、そういうニュースに日頃接していないとお目にかかることのない語彙、なんですね。
で、こういうなじめのない語彙は機械的にはなかなか覚えられない。ひと手間かけないと覚えられない。私は英検一級対策本の定番であるジャパンタイムズの「英作文問題完全制覇」という本を買って、自宅で何度も目を通したり、通勤時に何周も流し聞いていたのですが、それぐらいじゃ全然頭に入らない(頭の出来の問題もありますが笑)。
鳥飼玖美子先生が「本物の英語力」にお書きになっているように、「回り道を覚悟してゆっくり着実に語彙を取り込むしかない」ようです。その単語の使われ方の例にたくさん触れる必要があるようです。私は覚えにくい単語に関しては英辞郎で例文の使われ方を見たりして、できるだけ取っ掛かりを増やすようにしました。
リスニングは状況設定が異なる。集中力保持が肝
英検一級とTOEICのリスニングのちがいは会話の場面設定かなと思います。TOEICはやはりビジネスシーンが多いですが、英検一級では科学や社会のことなど、設定がより広範囲です。私は過去問をいくつか解いたときにはリスニングは満点近く取れていたため、それ以上時間をかけなかったのですが、実際の試験の出来はよくありませんでした。小論文と読解で疲れてしまったのか、集中力が欠けてしまったのです。TOEICではリスニングは満点だったのに!TOEICもリスニングが延々と続きます。リスニングテストは集中力を最後まで保てるかが肝のようです。
英検一級受験で得たもの
ライティングとスピーチの演習から得たものが何より大きかったです。国際社会、政治、環境、世界のなかの日本の役割といった社会的なテーマに触れることにより、改めて学び、考える機会が得られました。あまりにも対象が膨大なのと、自分の教養のなさに何度も泣きそうになりましたが、後半には自分の考えを英語でアウトプットしていくコツと喜びが多少はつかめたように思います。
ライティングとスピーチには型があります。まず自分のスタンスを伝え(I think~)、その一つ目の根拠と理由を述べ( Firstly~ . Example)、次に二つ目の根拠と理由を述べ( Secondly~. Example)、三つ目の根拠と理由を述べ( Secondly~. Example)、最後に結論で締めくくる( In conclusion, ~.)。その型にあてはめ、書いたり話したりする訓練をすることで、考えを人に伝える際に内容を論理的に整理して伝える技が少しだけ上達したように思います。
そしてこの経験を通して、遠ざかっていた英語との距離がまた縮まったのがうれしい。
次回は英検一級に一回で合格するため、私がやった勉強法をシェアしますので、また読んでいただければうれしいです。
ではまた。See you soon!
湊夏子
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