今日で八月も終わり。にもかかわらず日本各地で体温を超える暑さがつづいている。今年平均気温は平年より2.3度も上昇したそうだ。
熱中症で人が亡くなる。稲穂が茶色く枯れる。養殖場のハマチが死ぬ——。不穏なニュースが目につく。この先いったいどうなってしまうのだろう。
何年か前までは暑くても夏が好きだった。夏の夜の明るさ、花火、裸足にサンダルでいられる開放感……。でも一昨年ぐらいからか、夏が好きと思えなくなってきた。それどころか早く終わってほしい。この暑さ、さすがに耐えられない。
ニュースによると観測史上もっとも暑い夏がこれで三年つづいているという。ということは来年もそうなりそうだ。かつて知っていた夏、暑くても心地よく過ごせた夏はもう帰ってこないのか。
気象情報では連日、熱中症から身を守るためエアコンを使うようにと注意される。こんなにエアコン使用が推奨されるようになったのはいつごろからだろう。ひと昔前まではエアコンは必要なときだけ使うものだった。省エネ、電気代の節約のためできる限り扇風機などでしのぎ、どうしてもというときだけつけるのが一般的だった。
さらにもっと昔、自分が子どものころはエアコンもなかった。古い日本家屋で風通しもよかったからか、扇風機とうちわだけで暑さをしのげていた。夜は蚊帳を吊って寝ていた。子どもだったからかもしれないが、暑さで寝られなかったという記憶はない。
その実家にエアコンがついたのはいつごろだろう。記憶がさだかでないが昭和五十年ぐらいか。最初は応接間につき、次に居間、台所、そして寝室と順番に増えていった。今ではすべての部屋にエアコンがつけられ、結果閉め切っていることが多くなった。縁側にすわってスイカを食べるなんて、今やメルヘンのように遠い世界の話だ。
しかし気になる。近年ではエアコン使用が強く推奨されているが、こんなにエアコンを使うと二酸化炭素が大量に放出され、ヒートアイランド現象で外気温がさらに上がる。温暖化がさらに進んでしまう。人の命にはかえられないから使用しないわけにはいかないが、エアコン使用でさらに暑さが増してしまったら、それも人の命にかかわることである。
ではどうしたらエアコンを使いながら環境負荷を減らせるのか。調べてみると、家庭でやれることはかなりあるようだ。
- 窓に断熱フィルムを貼る
- 遮熱カーテンをつける
- 窓の外側にゴーヤや朝顔などの植物を栽培して「緑のカーテン」をつける
- エアコンの設定温度を28℃など高めに設定
- エアコンのフィルターや室外機まわりをこまめに掃除する
- 冷房を使用する際は家族同じ部屋で過ごす
- エアコンを買い換えるときには省エネ効果の高いものを選ぶ
- 普段使っているエネルギー(電気、熱、燃料)を二酸化炭素を排出しない、再生可能なエネルギーのものに変える
う〜ん、自分はこのうち三つしかできていない。緑のカーテンを作る、窓に断熱フィルムを貼るなんて相当ハードルが高いが、次世代のためにはやっていかないといけないんだろうなあ。いずれにしても猛暑にストップをかけられるかどうかは、ひとりひとりの意識と選択にかかっているということのようだ。
温帯に位置する日本で、暑さで死ぬ人が増えている。魚や植物など生態系にも異常が目立ってきている。自分は便利さや心地よさを追求し、享受してきた世代のひとりだが、考え方を変えていかねばならないと痛感した今年の夏だった。

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UnsplashのImmo Wegmannが撮影した写真, Thank you!
